医療法人 松田会

Menu
松田会トップ

にきび(ざ瘡)

 にきびの患者さんも時々受診されます。小学校高学年から30歳ころまでの患者さんが主体です。昔は、にきびは青春のシンボルとも言われ、生理的現象で誰にでもできるもので自然に出なくなるのを待つなどと考えられていたこともありますが、それは大きな間違いで早期に適切な治療をしないと、にきび瘢痕という、にきびの傷跡で一生悩むことになります。
 にきびの治療は一部の重症例を除いては、抗生剤の内服外用、過酸化ベンゾイル、ビタミンA誘導体を使って治療することができます。これら3種類の薬剤は、それぞれ異なった作用機序でニキビを治療するので適宜組み合わせて使う必要があります。
 一方でこれらの薬の中には、塗った直後に刺激症状が出たり肌が乾燥したりして使うのに多少のコツのいる外用薬や、接触皮膚炎を比較的高頻度に起こしてしまう外用薬も含まれています。治療開始から症状が落ち着くまでは、少し慎重な経過観察が必要です。

急性蕁麻疹

 蕁麻疹という病気は誰でもよく知っている病気です。突然、痒い発疹が出て、それが次第に拡大し、数時間から半日程度で自然に消退します。ただ次々と場所を変えて出没します。蕁麻疹には原因のはっきりしているものとはっきりしないものが存在します。
 最近、蕁麻疹の原因が次々と明らかになっています。誌面の都合で全てを紹介できませんが、意外なものに、サーファーに生じる納豆アレルギー、ダニに咬まれた人に生じる牛肉アレルギー、ネコアレルギーの人に生じる鶏肉アレルギー、ヨモギにアレルギーのある人に
生じるスパイスアレルギーなどがあります。
 ただ実際に、皮膚科外来で遭遇する患者さんは、今まで蕁麻疹の出たことがない人に突然生じる蕁麻疹、正確には急性蕁麻疹です。この蕁麻疹の原因は不明なこともありますが、意外に多いのが、自分では意識していないような軽微な上気道感染症などが引き金になって生じる感染性蕁麻疹です。
 したがって、急性蕁麻疹の患者さんでは、血液検査を行ない、CRPという感染症の時に上昇する値を指標に感染の有無を迅速に調べ、感染があれば、抗アレルギー剤以外に抗生物質の投与が必要です。

帯状疱疹

 帯状疱疹は、顔、胸腹部、背部臀部、腕、脚に片側性に小水疱が集塊を作って出てくる疾患です。軽症でほとんど痛みを訴えない患者さんから、痛みがひどくて眠れないほどの患者さんまでいます。
 子供の頃にかかった水痘(みずぼうそう)のウイルスが神経に潜んでいて、疲れたり睡眠不足が続いた時に目を覚まして(再活性化)して病気を起こします。
 治療は抗ウイルス薬の内服が基本で、患者さんの腎機能により投与量を調節します。
 ただ高齢者の顔や首に皮疹が生じた場合は入院の上、1日3回の点滴療法を行なったほうが速やかに痛みと皮膚症状が改善します。また痛みの程度により鎮痛剤も選択します。この病気も他の病気と同様に、早期診断・早期治療でひどい症状を起こさずに、治療することができます。
 高齢者で治療が遅れると帯状疱疹が治った後にも痛みが続く帯状疱疹後疼痛を発症してしまうことがあります。あまり経験したことのない片側性の痛みや違和感で神経痛かなと思ったら、直ぐに皮膚科を受診していただくのが帯状疱疹を悪化させないコツです。しばしば発疹は、痛みの出現から遅れて出てきます。60歳を過ぎると、帯状疱疹後神経痛になる患者さんが増えてきます。この神経痛は、帯状疱疹の痛みがそのまま続いたり、一度軽快した後に痛みがぶり返したり、もっとひどくなったりして発症します。
 神経痛になると、帯状疱疹の急性期に有効だった痛み止めが効かなくなり、別な種類の痛み止めが必要になります。松田病院皮膚科では、そのような患者さんには、トリプタノール、プレガバリン、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠を適宜組み合わせて治療しています。この怖い帯状疱疹後神経痛を予防する最善の方法は、帯状疱疹にかからないことで、最近は帯状疱疹の新しいワクチンが使えるようになり、これを打つと(正確には2ヶ月あけて2回)一生涯帯状疱疹になりにくくなるといわれています。

蜂窩織炎、丹毒、滑液包炎

 突然、腕や下腿、太ももが痛みを伴ない赤く腫れてくる病気が蜂窩織炎や丹毒と呼ばれる病気です。これは、何らかの原因で皮膚や皮下脂肪に細菌が侵入し、それが広がり発症する感染症の病気です。
 細菌の種類や皮膚のどの部位で主に細菌が増殖するかで蜂窩織炎と丹毒を区別します。また関節周囲に発赤腫脹が限局している時には滑液包炎のこともあります。治療の原則は細菌を殺すことで、多くの場合、抗生剤の内服で治療しますが、重症例には点滴を行ないます。ただ体内の細菌の量により重症度は様々で、それを間接的に調べるためには白血球数とCRPの定量という血液検査が必須です。
  幸い松田病院では検査を院内で行なうことで採血後約1時間で結果がわかるので安心して治療が可能です。また点滴も抗生剤の半減期を考慮すると最低1日2回行なうことが必要ですが、土曜日曜も含めて松田病院では対応が可能です。

ページトップへ戻る